腱鞘炎
指の曲げ伸ばしの力を手先に伝える「腱(けん)」と腱をストローのように包む「腱鞘(けんしょう)」の摩擦により、腱が炎症して、腱鞘内で引っかかってしまう状態だとされています。
場合によって腱と腱鞘が癒着してしまうこともあり、少し動かしただけでもズキズキと深い部分で痛み、手先を動かすことができない状態になります。
症状は人により様々ですが、日常生活で不便を感じる方が多くいます。
腱鞘炎になる方は、スポーツ選手、音楽家、1日中パソコンに向かってマウスやキーボードで作業している方、スーパーのレジを担当している主婦の方、赤ちゃんを抱っこするお母さんなど、仕事や育児で「同じ動作の繰り返し」をして、「手や指を酷使」している方がほとんどです。
症状として
〇指の付け根、手首、肘あたりの痛み
〇ペットボトルの蓋を開けるのが辛い
〇マウス操作をしたくない
〇赤ちゃんを抱っこするのが辛い
〇食器を洗えない、箸や包丁が持てない
〇ボタンを留められない
〇常に違和感がある
一般的な治療法
〇痛み止めの服用
〇患部を冷やす、湿布を貼る
〇ステロイド注射、神経ブロック注射
〇手術
〇固定(サポーター、テーピング)
しかし、これらの治療をしても
なかなか改善されないケースも多く
改善されたとしても一時的で
再び痛みが出てくるケースがよくあります。
本来、炎症とは「傷ついた細胞を交換したい」というカラダからの合図なので、薬で抑えたり、手術で取り除いたりするのはカラダの正常な反応を無視していることになり、根本的な解決にはつながりません。
普段の生活の中で腱鞘炎が発症してしまったのですから、その原因を取り除かなければ「強制的に痛みを取り除く」治療をしても、また繰り返し痛みに襲われてしまいます。
ゆらし療法では
腱鞘炎は、手の使い過ぎて疲労することによる「筋肉の異常緊張」と考えています。なぜ異常緊張が起こるのか、2点あります。
使い過ぎ
指や手首の筋肉は小さく、少ない量の筋肉で指の曲げ伸ばしを行っています。そのため一部の少ない量の筋肉を使い過ぎてしまうと負担になり、筋肉は疲れて異常緊張を起こして固まってしまいます。
体の使い方
筋肉の異常緊張がおこる原因のもう一つは、カラダの使い方やバランスに問題のあるケースがあります。同じ職場にいて同じ作業をしている人でも腱鞘炎にかからない人がいることを考えると使い過ぎだけが原因とは言えません。
指先を動かす動きは、腕から肘のあたりまで連動して動き、筋肉の負荷を分散させています。これができずに一部の筋肉を使って動かしていると、脳がその使い方が一番効果的だと勘違いして、本当は辛い動きでも修正されずに継続して行ってしまうのです。その結果、筋肉の異常緊張がおこります。
施術では問題点である「筋肉の異常緊張」を見つけ、優しく触れる、優しく引っ張る、優しくゆらすなど痛くない施術により筋肉の異常緊張を取り除いていきます。
もし、触れるだけで痛みがあるような場合でも痛くない施術を行っていきますので安心して下さい。
こうして問題のある筋肉の異常緊張や生活での負担、問題のある動きを解消することで腱鞘炎の痛みはしっかりと回復していきます。症状の根本原因から解消していきますので、繰り返すことがありません。
女性、50才、横浜市、スーパーのレジ係
来院日 8月31日
来院時の状況
7月20日頃から左手首の外側が痛くなり病院に行くと、腱鞘炎との診断を受けた。痛み止めのお薬と湿布を処方されたが痛みが軽減せずネット検索し来院された。
施術内容・経過
1回目
左手首を外側に向けると痛みが出る。
そのため、肩、肘裏、肘から手首までを優しく触れて固いところを柔らかくした。
その後、全身の施術を行いカラダの状態を整えた。
帰り際に、「ショルダーバッグを肩にかけるときに痛かったものが痛くなくなっている」
とおっしゃっていた。次回4日後。
2回目
手首の痛みは緩和している。
前回と同じように肩から手首までの施術を行ったが
それにプラスして手首が誤った動きをしている可能性があるので
手首の動きを修正し痛みが軽減した。次回1週間後。
3回目
手を握った状態で手首を動かすと痛みがある状態。
前回と同じように、肩から手首までの施術と手首の動き修正を行うと痛みがなくなった。
解説
手首の動きに誤った動きがあったものと思われる。
スーパーのレジ係は、手の指から肩まで細かい動きがあり、
その動きから前腕部の緊張、誤った動きになって痛みが出たようだ。
幸いにして大きな痛みは直ぐに取れたが、その後は1週間、2週間と間を空け施術した。
ちょっとした動きでの痛みは残ったが2ヶ月後には完全に痛みは消失した。
※回復には個人差があります。